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往時の姿を取り戻し 平福寺「十一面観音菩薩立像」修復終える

2025年3月17日


 明治の神仏分離で、諏訪大社下社の別当3カ寺の一つだった秋宮三精寺から平福寺(岡谷市長地柴宮)にうつされた「十一面観音菩薩立像」が15日、修復を終えて約半年ぶりに同寺へ戻った。下社春宮の別当観照寺からうつされ、昨年に修復した「不動明王立像」と同様に、信濃仏像修復所(千曲市)の長谷川高隆さん(40)に依頼。十一面観音菩薩立像を迎えた小林崇仁住職(51)は安堵(あんど)の表情を見せ「またお守りしていきたい」と話した。
 十一面観音菩薩立像は三精寺の本尊だったとされ、現在は平福寺本堂の本尊、右脇侍として安置。像高48.3センチで、光背と台座を含めた総高は75センチ。一木造りで、室町時代〜江戸時代初期の作とされ、市の指定有形文化財でもある。
 両足先が欠損し、ほぞが緩んでいたことで倒れる危険性があったため、足先を修復し、ほぞ穴を調整するなどして安定させた。併せて、欠けていた頭上の四つの変化面や手の指先などを補ったほか、緩んでいた肘や手首の角度を調整し、割れていた部分をこくそ漆で埋めるなど、構造的な修復と信仰の対象として部分的な復元を行ったという。
 長谷川さんは「都から離れた場所だと思うが、水源や自然、諏訪の信仰と相まって洗練された造形性。地域にとって素晴らしい宝であり、文化。諏訪の地域で変わらずに大切にしてもらえればうれしい」と願い、小林住職は「素晴らしいお姿でお戻りいただいてありがたい。ぐらぐらしていて不安定だったが、凜(りん)としたお姿になって安心した」と話していた。 
(写真は、「十一面観音菩薩立像」の修復内容について話す長谷川さん)