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贈答用に出荷できないリンゴで新たなアップルパイ  

2025年1月11日


 名取鶏卵(諏訪市四賀神戸)は、夏の猛暑で蜜が入らず、贈答用にならなかったリンゴを使ったアップルパイを開発した。スイーツ専門店「なとりさんちのたまごや工房」で1月末まで販売予定。リンゴ選びの幅が広がったといい、製菓主任の男性は「農家さんと助け合い、ウィンウィンの関係になることができたら」と願った。
 同店は通常、酸味が特徴的な品種「紅玉」を使ったアップルパイを製造している。例年は11月いっぱいまで材料を確保できるが、昨年は猛暑やカメムシの影響で収穫量が少なく、10月末ころには品切れになってしまったという。
 取引する錦果園(四賀飯島)に話を持ち掛けたところ、贈答用としては出荷できない「サンふじ」を使えることに。レモン汁で酸味を調整するなど試作を重ね、11月末に新しいアップルパイを発売した。
 「リンゴの甘みと酸味の良いバランスが取れた。ふじは煮ても果肉がしっかりしているので、食べ応えがある」と男性。貯蔵性に優れた晩成種のふじを使うことで、これまでより長い期間提供できるという、うれしい誤算もあった。
 発売以降、リピーターも多いといい、地元のリンゴ生産者を応援する取り組みになった。錦果園では「工夫してアップルパイにしてもらい、また一つ違う味わい方ができるようになって良かった」と話していた。
 価格はロング1750円、カット590円。商品は四賀の諏訪店、上諏訪駅店、富士見町の八ケ岳店の3店舗で販売している。
(写真は、猛暑の影響を受けたリンゴを有効活用したアップルパイ。サンふじらしい甘みと食感が楽しめる)