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「鹿の国」上映始まる 初日は北村さんら舞台あいさつ

2025年1月4日


 岡谷市の映画館「岡谷スカラ座」で3日、諏訪大社の四季の祭礼を追い、中世の秘儀とされる「御室(みむろ)神事」の再現を試みたドキュメンタリー映画「鹿の国」の上映が始まった。初日は2回目の上映後、制作したビジュアルフォークロア代表で、同作のプロデューサーを務めた北村皆雄さん(伊那市出身)と大昔調査会の高見俊樹会長による舞台あいさつがあった。
 北村さんは50年前から諏訪信仰や「ミシャグジ」の研究を続けてきたことに触れ、「一番分からないのは御室神事。あの中で何を行っていたのか。さまざまな研究から、芸能色が強い神事が行われていたのではないか」と指摘。「ミシャグジをお迎えし、もてなしてお帰りいただくという古い信仰が諏訪に残っていた」などと話した。
 同館によると、初日は県外からも来館者があるなど3回の上映はほぼ満席となり、映画への関心の高さを反映。2回目の上映を見た下諏訪町の女性(37)は、「ミシャグジ信仰についてよく分からなかったが、映画を見て、諏訪信仰は地域の中の自然そのものを神として崇拝していたのではと考えた」と感想を話していた。
 「鹿の国」上映に伴い、同館ではきょう4日も午後1時半の回に北村さんと、映画にも出演している岩崎宥全仏法紹隆寺住職(諏訪市)の上映後トーク、5日(日)は原直正スワニミズム会長らのトークを予定。12(日)13(月=祝日)は弘理子監督による舞台あいさつもある。問い合わせは同館(電0266・22・2773)へ。
(写真は、映画「鹿の国」について語る北村さん㊨)