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辰野拠点の現代美術家千田泰広さん企画展 光線と糸織り成す空間

2024年11月7日


 辰野美術館で、町内に拠点を構える現代美術家千田泰広さん(46)による企画展「透明な暗闇」が開かれている。光線や糸を使ったインスタレーション(空間芸術)を4カ所に設け、幻想的な空間をつくり出している。
 代表作の「Analemma(アナレンマ)」は縦3㍍、横5㍍、奥行き20㍍の暗室に置いた。立体的に張った糸に、一定の動きで照明の光線を当てた作品。糸に光が当たる場所と、当たらない場所ができ、その光が小刻みに動いているように見える。
 「Room01(ルームワン)」と名付けたスペースには、千田さんが自由に制作した空間が広がる。無数の糸のほか、壁や天井に板を取り付け、作品の素材や形、目的、意味などを「謎解きをする感覚でゆっくりと考えてもらえれば」(千田さん)とする。
 9日(土)午後2時から、千田さんと信州大学人文学部教授の金井直さん、国立天文台天文情報センター広報普及員の内藤誠一郎さんによるトークイベントがある。同館は「世界で活躍する千田さんの作品が見られる貴重な機会。普段とは違う展示を体験してみてほしい」と呼びかける。
 千田さんは光を使う「ライトアート」をけん引する美術家の一人で、世界各地の回顧展や芸術祭に出展している。千田さんは「部屋全体を使った今までにない展示。自由に見てほしい」とする。
 本紙など市民新聞グループほか後援。12月1日(日)まで。午前9時〜午後5時。月曜日休館(祝日の月曜日は開館、翌日休館)。入館料は500円。高校生以下無料。問い合わせは同館(電0266・43・0753)へ。
(写真は、千田さんの空間芸術作品が展示された企画展)