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古田人形芝居「伝承三百年祭」来月7日 箕輪で節目の公演

2024年11月7日


 箕輪町上古田に伝わる伝統芸能で、県選択無形民俗文化財に指定されている「古田人形芝居」の定期公演が、12月7日(土)午前11時45分から町文化センターホールで開かれる。ことしは発祥から約300年を記念した「伝承三百年祭」。兵庫県南あわじ市のプロ団体「淡路人形座」を迎えての一大公演となる。
 古田人形芝居は、江戸時代中期に淡路や上方から伝わった人形浄瑠璃。北西の冷たい風による冷害被害をなくすための祈願として、人形芝居が奉納されたといわれている。定期公演は、町教育委員会が郷土芸能の保存や後継者育成を目的に毎年開き、地元有志でつくる古田人形芝居保存会、箕輪西小古田人形クラブ、箕輪中古田人形部が出演する。
 ゲストの淡路人形座は、淡路島の常設館を拠点に、500年以上の歴史を持つ国重要無形民俗文化財「淡路人形浄瑠璃」を継承している。古田人形芝居保存会と長年の交流があり、定期公演での共演は2018年以来。
 最初に保存会が舞台を清める「三番叟(さんばそう)」、淡路人形座が祝儀の「戎(えびす)舞」を披露する。「傾城(けいせい)阿波の鳴門—順礼歌の段—」は西小が現代語訳で発表した後、保存会が「口」、淡路人形座が「奥」を続けて演じる。「生写(しょううつし)朝顔話」は、保存会が「宿屋の段」、箕輪中が「大井川の段」を上演する。
 保存会には現在、高校生から80歳代まで15人が所属。柴登巳夫会長(80)は「盛衰を繰り返し、途絶えてしまった人形座も多くある中、困難を乗り越えて命脈を保ってきた先人には頭が上がらない思い」と話し、「大きな節目をしっかりとこなし、次世代へのスタートラインに立ちたい」と意気込む。
 入場無料。指定席のチケットは、きょう7日午前10時から町文化センター窓口で配布する。ウェブ申し込みは、13日(水)〜12月4日(水)に受け付ける。いずれも1人4席まで。
 問い合わせは町教委文化スポーツ課(電0265・70・6602)へ。
(写真は、「伝承三百年祭」に向け練習する古田人形芝居保存会)