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日赤病院 がん治療より迅速に 専門会議実施可能ゲノム医療連携病院
2024年11月6日
諏訪赤十字病院(梶川昌二院長)は5日、同院が「エキスパートパネル(専門会議)実施可能がんゲノム医療連携病院」に1日付で指定されたと発表した。これまでがんゲノム医療拠点病院の信州大学医学部付属病院でのみ開催した遺伝子検査の評価の専門会議が独自で可能となり、検査結果返却が短縮されるため、より迅速に適切な治療に結びつくことが期待される。
がんゲノム医療は、がん遺伝子パネル検査を行うことで、多くの遺伝子変化を一度に解析し、一人ひとりに合った治療に応用する試み。同病院は2020年6月にがんゲノム医療連携病院の指定を受け、信大医学部付属病院と連盟して検査を実施。この10月までに259件の検査実積を積んだことが評価され、全国23施設の一つとしてエキスパートパネル実施可能がんゲノム医療連携病院の指定を得た。
これまではほぼ毎週1回、信州大学医学部付属病院での専門会議で日赤患者の検査結果の評価を受けてきた。待ち時間や返却などに要した日数は平均46日といい、独自の会議になれば2週間程度に短縮できるとする。同病院では、腫瘍内科部長の進士明宏医師を中心に病理学専門家、看護師など10〜12人のメンバーで毎週1回開く計画。
進士医師は「対応する治療薬が全てそろっている状況ではないので、治療薬にたどりつけたのは10〜12%。しかし、早く結果を入手できることで開発中の新薬の治験へも対応を広げることができる」とする。
(写真はエキスパートパネル実施可能がんゲノム医療連携病院の指定について説明する進士医師)