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かやぶき改修完了 旧渡辺家 年内公開3日が最後
2024年11月2日
岡谷市長地柴宮の県宝「旧渡辺家住宅」で、市教育委員会が4月から進めていたかやぶき屋根のふき替え工事が完了した。1990、91年の復元改修工事以来、約30年ぶりに屋根全体を修繕し、ほかの劣化部分も直した。一般公開は3日(日=祝日)に再開し、「文化の日」を記念して入館無料とする。
市教委によると旧渡辺家は、高島藩に代々仕えた武士の家系。明治以降、渡辺千秋と国武、千秋の三男で国武の養子千冬の3大臣を輩出したことで知られる。同住宅は18世紀中期の創建とみられ、19世紀半ばの改築で現在の間取りになったという。93年に県宝に指定された。
工事では、2010年に終えた北面を除く3面をふき替え、併せて北面の傷んだ部分の修繕。伊那市産のカヤ約9トンを使って県内の職人が施工した。傾いていた中門なども修復し、ひび割れや剥がれが起きていた土間たたきも造り替えた。
工事は昨年度に契約し、本年度に着工。事業費は4125万円で、渡辺の遺族の寄付1000万円や県補助金を活用した。
4日(月=振替休日)〜来年3月19日(水)は冬季休館となるため、年内に内部を見学できるのは3日が最後。午前10時〜午後4時で、郷土学習館(長地柴宮)による解説もある。
市教委生涯学習課は「この機会に新しくなった屋根を見に来てほしい。住宅の歴史にも関心を持ってもらえれば」とする。
3日午前9時〜午後4時半には、御倉町の国重要文化財「旧林家住宅」も無料公開する。問い合わせは岡谷美術考古館(電0266・22・5856)へ。
(写真は、かやぶき屋根のふき替え工事が完了した旧渡辺家住宅=1日)