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走る転がる天狗大暴れ 辰野町神明神社でお舟祭り
2024年10月21日
辰野町北大出の神明神社で20日、天狗(てんぐ)が境内を暴れ回る伝統の「お舟祭り」があった。天狗は「ホーホー」と奇声を発しながら走ったり、子どもを捕まえたり。多くの見物人でにぎわった境内からは歓声や悲鳴が上がった。
地域住民たちが青竹で作った舟を担いで神楽殿前に運び、中から4頭の獅子に続いて主役の天狗が飛び出した。3人が順次登場して縦横無尽に動き回り、集まった写真愛好家がカメラを持って追いかけた。
天狗は傾斜を転がり、転落後に無事に立ち上がると「すごい」と拍手が送られた。泣き叫ぶ子を抱きかかえ、舟に連れ込む場面もあった。天狗が舟に戻った後は、見物人が祭りの記念として獅子に頭をかんでもらった。
初めて見物したという箕輪町からの参加者(37)は「天狗の見た目が怖く、子どもたちは驚くと思った」とし、連れてきた息子(1)も「びっくりして泣き叫んでいた」と話した。
祭りは、町無形民俗文化財に指定されている。北大出内の5地区が持ち回りで祭事を担当し、ことしは原が担った。天狗役は3人の若者が務めた。原の住民らでつくる実行委員会の林慎吾委員長(41)は「元気のいい天狗だったため、子どもたちが喜んでくれたと思う」と述べた。(写真は泣く子を抱きかかえる天狗)