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151年間ありがとう 辰野町川島小で閉校記念式典
2024年10月20日
本年度末で辰野西小学校に統合される川島小学校で19日、閉校記念式典が開かれた。住民や区役員、教職員、PTA関係者らでつくる実行委員会(一ノ瀬健二実行委員長)が主催。児童による劇の発表や、卒業生や元教員による思い出の振り返りがあり、出席した約250人が同校151年の歴史に思いをはせた。
牧野孝裕校長はあいさつで、同校の長い歴史の中で、多くの児童が地域の皆さんと共に学び、夢を育んできた—と説明。「閉校は寂しいが、川島小の伝統が少しでも在校生の皆さんにも受け継がれ、新しい環境の中でも生きて働く力となることを願っている」と述べた。
武居保男町長は「閉校は何事にも代えがたい寂しさと断腸の思いと拝察するが、閉校後も輝かしい歴史、培われた伝統は絶えることなく、地域の歴史に刻まれ、皆さんのよりどころとなる」。宮澤和徳教育長は「統合する新生辰野西小学校に、川島小学校の精神が受け継がれ、更に大きく発展することを期待する」と言葉を寄せた。
全校児童14人は、地元に伝わる民話「はだか武兵衛」の劇を上演。病気の流行する川島の集落を武兵衛が訪れ、住民を治療する粗筋で、児童たちは農民の衣装をまとって堂々と演じた。合奏や歌を交えて進め、劇中歌は1〜3年が作詞、4〜6年が作曲。元気いっぱいに歌った。武兵衛を演じた児童は「緊張したけれど、上手にできた」と笑顔だった。
思い出を語るコーナーには11人が登壇。元校長や卒業生が同校の特徴的な学びや地域との関わり、その後の人生に与えた影響などを話した。旧校舎が取り壊された1980年度の卒業生による歌「さよなら校舎よ」の発表もあった。
52年度の卒業生で学校支援ボランティアを務めた男性は、わら草履で通学したり、甘い物がほとんどない時代にバナナが配られたりした—と紹介。「自然の中の学校生活を堪能した。小学校の思い出が一番心に残っている」と話した。
式典会場の体育館には児童たちの陶芸作品や校舎やプールなどを描いた絵を展示。式後には県警音楽隊による演奏パフォーマンスもあった。根橋久人副実行委員長は「式典を通じて川島小の歩みを振り返り、思いを共有することができた。学びが皆さんの心に深く根付き、引き継がれることを願う」とする一ノ瀬実行委員長の言葉を代読した。
6年の児童は「予想以上にたくさんの人が来てくれ、前向きな気持ちの式典になったと思う」。同校卒業生は「式典で改めて閉校を実感した。寂しい気持ちは強いが、児童たちの前向きな気持ちが伝わってきて良かった」としていた。
(写真は、地元の民話の劇を発表する児童たち)