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地域住民と節目祝う 箕輪町の無量寺で開創800年記念祭

2024年10月16日


 箕輪町北小河内の西光山無量寺は14日、開創800年の「記念祭」(記念事業実行委員会主催)を開いた。記念法要や式典のほか、国重要文化財・阿弥陀如来座像の御開帳やコンサートなどのイベントも実施。地域住民を中心に多くの人が訪れ、節目の年を喜び合った。
 鎌倉時代初期の1224(元仁元)年、亨賢和尚によって開創されたと伝えられる高野山真言宗の寺。本尊は薬師如来。
 記念法要と式典は関係者が出席して午前中に営まれ、午後からは放光殿に安置されている阿弥陀如来座像を御開帳した。
 本堂での記念コンサートは3部構成。最初は第52世中川清健住職(46)を含む県内高野山真言宗寺院の僧侶6人のユニット「六大(ろくだい)」が、経典に音の高低や長短、抑揚などを付けた仏教音楽「聲明(しょうみょう)」を披露。説明を交えて「四智梵語(しちぼんご)」など五つの演目を唱えた。参加者は荘厳な響きに聴き入り、手を合わせ祈る姿もあった。
 第2部は、同寺御詠歌の会が音楽に合わせた和讃(わさん)など、三つの演目を発表。第3部では、地元で活動する合唱サークル「うたうら」が歌声を奏でた。
 前庭では、おはぎやブリトー、弁当、コーヒーなど10店舗ほどのマルシェも開かれ、来場者は思い思いに巡って楽しんでいた。
 記念コンサートを聴いた80歳代女性(北小河内)は「自分の人生の節目も思い出し、聴いていた。感無量。お寺さんに守ってもらって元気でいられる」と感謝した。
 中川住職は「想像以上にたくさんの人が来てくれて、とてもありがたい。初めてお顔を見る方もいたので、これを機にご縁をつないでいけたら」と願い、漆戸正実行委員会会長(78)=同=は「800年の歴史を振り返り、先祖からのつながりを感じることができた。今回の記念祭が過去、現在、未来とつながっていくものになればうれしい」と話していた。
(写真は、記念コンサートで聲明を唱える六大)