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「イトカワ」「リュウグウ」の実物試料展示 「はやぶさ」「はやぶさ2」採取

2024年10月11日


 茅野市八ケ岳総合博物館で、日本の小惑星探査機「はやぶさ」と「はやぶさ2」が小惑星「イトカワ」と「リュウグウ」から採取した実物試料が展示されている。リュウグウの試料展示は県内初。各試料を同時展示し、小惑星の特徴や探査の意義、最新の研究に理解を深めてもらう。14日(月=祝日)まで。
 全国巡回展で、プラネタリウムが世界で作られて100年がたったことを祝う記念事業の一環。同館が3カ所目になる。現在も分析が続けられ、太陽系の成り立ちや地球上の生命誕生の謎に迫れる—と期待されているというサンプルを同時に比較し、違いや特徴が理解できる。
 リュウグウの試料は、2020年にはやぶさ2が採取した直径2.87ミリの炭素を多く含む黒色の粒子。肉眼で色味を確認できる。イトカワの試料は、10年にはやぶさが持ち帰った毛髪の半分ほどの直径51.1マイクロメートルのかんらん石の粒子。肉眼では見ることができず、電子顕微鏡で拡大してモニターに映し出している。
 併せて、公立諏訪東京理科大学(同市)の学生が作った小惑星2000分の1サイズの模型2点も展示。拡張現実(AR)技術で探査機のタッチダウンによる試料採取も体験できる。試料の説明、研究内容や、イトカワの名前の由来となった「日本のロケット開発の父」とされる故・糸川英夫博士の紹介などのパネル約枚も並ぶ。
 同館学芸員の渡辺真由子さんは「同時に試料が見られるのは、またとない貴重な機会。見るだけでなく体験できる展示もあるので、宇宙を身近に感じながら楽しんでほしい」と話す。
 午前9時〜午後5時(最終入館4時半)。入館料は一般310円、高校生210円、小中学生150円(諏訪地域の小中学生は図書館利用カード、茅野市在住、在学の高校生は学生証の提示で無料)。
 問い合わせは同館(電0266・73・0300)へ。
(写真は、県内初展示の小惑星「リュウグウ」の試料)