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箕輪町郷土博物館 28日リニューアル開館

2024年9月25日


 耐震補強工事などで昨年度から休館していた箕輪町郷土博物館が28日(土)、リニューアルオープンする。エントランスホールや図書・講座室が新設され、全館空調で展示設備も充実した。関係者によるセレモニーが午前9時からあり、同10時から一般開館。10月以降には記念イベントの講座や講演会なども計画し、一新した施設の完成を祝う。
 同館は1974(昭和49)年に開館。建設から50年が経過し、機能や耐震性の不足、アスベスト(石綿)の危険性などを解消するため、昨年5月からリニューアル工事を進めてきた。鉄骨2階建て延べ約700平方メートルで、事業費は3億2270万円。建設工事は浅川建設工業(木下)、設計・管理は創和設計(大出)が請け負った。
 1階の民俗展示室は、旧館にあった昭和30年代の農家の居間をほぼ復元。図書・講座室にはスクリーンを設け、20人前後の講座が開催可能。エントランスには3基のテーブル席を置き、休憩できる空間を用意した。スポットライト照明にした2階の歴史と美術の展示室では、作品や展示品を効果的に鑑賞できる。階段を上がって正面の自然展示の立体模型コーナーでは、ドローン空撮動画などが楽しめる。
 県宝4点の縄文土器など展示品の数は、旧館とほぼ同じ約600点。中箕輪尋常高等小学校(現箕輪中部小と箕輪中学校)の西駒ケ岳集団登山遭難関連の資料や、古田人形芝居に使う人形などを新たに常設する。外国人向けに、説明板には英語表記も加えた。これまで18歳以上は100円の入館料が必要だったが、誰もが気軽に入館できるよう無料化する。開館時間は午前9時〜午後5時。月曜日と祝日の翌日、年末年始は休館。
 28日のセレモニーには、白鳥政徳町長ら関係者が出席。テープカットをし、古田人形芝居保存会が地鎮の意味がある「三番叟(さんばそう)」を披露する。一般開館には、町のキャラクター・もみじちゃんが出迎える。
 同館の柴秀毅館長は「町民の要望で建設した旧館が果たしてきた役割は大きい。新館は敷居を下げ、入りづらいイメージをなくした。さまざまな工夫を凝らした館内をゆっくり楽しんでもらえれば」と来館を呼びかけている。

・10月5日(土)〜14日(月=祝日)=「風神雷神図屏風・夏秋草図屏風(高精緻複製品)の展示(定員制)
・12日(土)午後2時=東京国立博物館文化財活用センター(東京)職員による「夏秋草図屏風」の解説(同)
・26日(土)午後1時半=県立歴史館(千曲市)職員による出前講座「信州学出前講座in箕輪町郷土博物館」(同)
・11月16日(土)午後1時半=東海大学文学部教授の北條芳隆さん(松島出身)による講演会(同)
 問い合わせは同館(電0265・79・4860)へ。
(写真は、28日にリニューアル開館する町郷土博物館)