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ヒカリゴケが見頃に 岡谷の唐櫃石古墳石室で

2024年9月13日


 岡谷市長地出早、上の原小学校近くの唐櫃石(かろうといし)古墳の石室内に自生する「ヒカリゴケ」が、見頃を迎えている。市教育委員会によると、市内で観賞できるのは把握している限りでは同所のみ。気温や湿度にもよるが、10月ころまでは楽しめるという。
 市教委によると、ヒカリゴケは1科1属1種の原始的なコケ植物。環境変化に弱く、環境省のレッドリストで準絶滅危惧種に指定されている。コケ自体が発光しているのではなく、胞子から発芽した「原糸体」に並ぶ球状の細胞がレンズの役目となり、光を反射しているという。
 古墳は、7世紀末ころから8世紀初頭までの間に築造されたとみられる。直径約14.8メートルの円墳で、1974年に発掘調査が行われ、後に復元された。石室は奥行き5.7メートル、幅1.7メートルの横穴式で、内部はベンガラで赤く彩色されている。79年に市指定文化財となり、ヒカリゴケは2008年に市天然記念物に指定された。
 岡谷美術考古館では現在、唐櫃石を含む市内3古墳を紹介する特別考古展を開催している。同館の担当者は「諏訪地域の人が見たいと思って行きやすいのはここになる。古墳自体にも関心を持つ切っかけになれば」と話す。
 同古墳に駐車場はなく、市教委は出早公園の利用を促している。
(写真は、光を反射し、緑色に光るヒカリゴケ)