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武井武雄の生誕130年記念でシンポジウム15日

2024年9月1日


 岡谷市出身の童画家・武井武雄(1894〜1983年)の生誕130年を記念したシンポジウムが15日(日)午後1時15分から、カノラホールで開かれる。「武井芸術の真髄(しんずい)に迫る」をテーマに、イルフ童画館や市などが主催。各分野の専門家による基調講演や対談、研究発表を通じ、武井が多岐にわたる作品の中で実践し、目指した芸術とはどんなものだったのか考える。
 基調講演は、ちひろ美術館常任顧問の松本猛さんが担当。武井の後輩に当たり、影響を受けたという絵本作家のいわさきちひろの長男で美術・絵本評論家でもあり、「武井武雄のウィットとユーモア」の演題で話す。
 イルフ童画館の山岸吉郎館長が聞き手となる対談には、3人が登壇する。いわさきちひろ記念事業団理事の竹迫祐子さんが童画、ブックデザイナーの名久井直子さんが刊本作品、同館学芸員の河西見佳さんが版画を焦点に、それぞれ1対1でトークを展開。武井が手がけた中で、3本柱ともいえるジャンルを起点に深掘りする。
 講演や対談の合間には研究発表があり、同館学芸員の犬塚奈々子さんと、武井や童画について研究する白百合女子大学児童文化研究センター助手の遠藤知恵子さんが登壇。犬塚さんは、館としての最新の研究成果も話すという。
 「武井は芸術の創造を目指し、人がやらないさまざまなことをやりだした」と山岸館長。生誕130年を記念した全国巡回展などでも、「マルチアーティスト」としての功績を強調している。シンポジウムでは「子ども向けという既成概念にとらわれず、市民にはおらが街のアーティストについて理解してほしい」と話す。
 参加無料で申し込み不要。定員は約200人。問い合わせは同館(電0266・24・3319)へ。
 (写真は、ポスターを手にシンポジウムをアピールする山岸館長)