NEWS

辰野の蛍目撃数過去10年で最少に

2024年8月28日


 辰野町内で6月に開いた第76回「信州辰野ほたる祭り」で、町は27日、辰野ほたる童謡公園のゲンジボタルの目撃数が2万3991匹だったと発表した。昨年の11万3503匹の2割程度にとどまり、過去10年で最も少ない。祭り期間中(8〜16日)の来場者数についても昨年比0.03%(4000人)減の12万2000人だったと発表した。
 蛍は5月27日〜7月5日に目撃された。祭り期間中に発生のピークを迎え、連日、1000匹以上が飛び交った。11日は1日の目撃数が最も多く、2235匹が出現した。公園内の発生エリアの内訳は下辰野側1万7362匹、平出側6629匹。町の調査員が毎夜、光を放つ蛍を目視で確かめて数え、目撃数をまとめた。
 調査によると、今季はさなぎになるために水路から陸に上がる「上陸」をした幼虫が過去2番目に少ない1074匹。開幕前はピーク時の1日の発生数が500匹程度と予想されていたが、「良い意味で裏切られた」。町は、上陸をした翌年以降に成虫になる「越年ホタル」がいたことなどが予想を上回った要因とみている。
 祭りは昨年と同じ9日間で、同公園と下辰野商店街を会場に開催。来場者は週末に集中し、ともに土曜日の8日は3万2000人、15日は3万3000人、ともに日曜日の9日は2万1100人、16日は2万2000人。1日の来場者が最も多かった15日は、5年ぶりに「たつのピッカリ踊り」が復活し、同商店街が活気に包まれた。
 27日に開かれた祭りの反省会議で、町は蛍の目撃数や来場者数を報告。大会長の武居保男町長は祭りを振り返り「蛍が大切な祭り。保護や育成をしてくれている皆さんがいなければ成り立たないと再認識した」と述べた。
(写真は、ゲンジボタルが飛び交う6月のほたる童謡公園)