NEWS

川島小に黒板アート 前向く力に「船出」描く

2024年8月23日


 川島小学校で2学期の始業式があった22日、多目的ホールに黒板アートが登場した。本年度末での閉校を前に、子どもたちに喜んでもらい、前を向いて進む力になれば—と保護者の佐野大介さんが企画。夏休みを終えて登校した児童たちを驚かせた。
 手がけたのは、佐野さんと親交のある黒板アーティストの源明未奈さん(千葉県)。「船出」をテーマとし、山あいの川を進む小舟に乗る子どもと、それを見守る鹿やリス、キツネといった動物を描いた。行く先には満月や星空が広がり、「希望やわくわく感を込めた」という。
 制作は20日に行い、初めて訪れた川島の風景を取り入れ、青や緑、茶色のオイルチョークを使って川や山を描いていった。蛍や校内に展示される剥製のイノシシも添え、5時間ほどで完成させた。源明さんは「閉校になっても児童たちが川島小やこの景色を思い出してくれれば」とする。
 22日に登校した児童たちは黒板を見ると「すごい」「きれいだね」と歓声。近づいて目を凝らしたり、遠くから眺めて感想を言い合ったりした。4年の児童は「夢の世界みたいですごくきれい。動物がたくさんいて自然がきれいなところが川島らしい」、6年の児童は「登校したら絵があってびっくりした。絵を見て頑張りたいと思った」と話した。
 佐野さんは「子どもたちが喜んでくれてうれしい。芸術は何かあったときに前に進む力になってくれると思うので、閉校の不安よりも希望を感じて前を向いてくれれば」としていた。(写真は始業式に合わせて描かれた黒板アートを眺める児童と佐野さん=左奥=)