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岡谷花火まつり ランタンと共演 幻想的

2024年8月17日

  
 第57回「岡谷花火まつり」が16日、湖畔公園多目的広場であった。環境面への配慮から、2019年で取りやめとなった本紙主催「一千灯とうろう流し」の演出面を継承し、22年に再出発して3年目。来場者は夜空を焦がす大輪と、住民参加型で空に飛ばした120個のスカイランタンが共演する光景を楽しみながら、行く夏を惜しんだ。
 花火まつりは1968(昭和43)年、市と岡谷商工会議所、岡谷市民新聞社の3者が実行委員会をつくって始めた。再スタートとなった2022年から更に警察、消防関係者、昨年からは市観光協会も加わるなど体制を充実。打ち上げ場所も従前の釜口水門近くの諏訪湖上から、多目的広場沖の湖上に移した。
 夕方から、同広場に設けた「まつり本部」でスカイランタンの受け渡しを開始。暗くなってきたところで、実行委員長の早出一真市長は「ようこそ岡谷花火まつりへ。岡谷の夏を締めくくるイベントとして続き、ことしも皆さんと一緒に盛り上がりたい」とあいさつ。市長と来場者のカウントダウンで、宵闇を照らす音と光のショーが幕を開けた。
 今回は、季節の風物詩を支援するキリンビールの「晴れ風ACTION」の対象事業に県内で唯一、選ばれ、花火の打ち上げ時間は約30分間と変わらないものの、内容を充実させて約3000発打ち上げた。スカイランタンの明かりと共に、会場は幻想的は雰囲気に包まれ、来場者は写真に収めたり、夜空を見上げたりと、思い思いにひとときを過ごしていた。
 (写真は、夜空で共演した打ち上げ花火とスカイランタン)

諏訪湖おくり火 灯籠並べ仏教会が供養

 岡谷市仏教会の「諏訪湖おくり火」が同日、湖畔公園多目的広場で営まれた。故人への思いが込められた灯籠が並ぶ中で送り火をたき、飾りを施した「精霊船」を湖上に浮かべて、亡き家族や先祖を見送った。
 戦後間もない1951(昭和26)年に始まった本紙主催事業「一千灯とうろう流し」が、2019年を最後に終了。先祖供養については市仏教会が継承し、22年から法要を花火まつりと同時開催して3年目を迎えた。
 会場には、市内の小中学生と高校生が絵を描き、各寺院が仏号や戒名などを書いた灯籠をつるし、ともした。花火を合図に法要が始まり、市内14カ寺の僧侶が読経。木札をくべて送り火をたき、湖に浮かぶ精霊船とともに先祖を見送った。
 法要後、参列者は会場に設けられた祭壇で焼香し、静かに手を合わせた。4月に夫を亡くし、参列した女性(88)=内山=は「気持ちだけでも主人と行き会いたいと参列した。みんなで集まって法要ができるのはありがたい」と話していた。 
(写真は、祭壇で焼香する参列者)