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夏の伝統文化復興へ 諏訪大社の夏詣に合わせ 盆踊りの輪にぎやかに 下諏訪町

2024年8月13日


 諏訪圏青年会議所の下諏訪町内メンバーを中心とした「しもすわ音頭実行委員会」は11、12日、盆踊り会場を「門前ひろば食祭館」前に設けた。盆踊りの文化を再興し、新たな祭りをつくろうとする取り組みの一環で、猛暑を避けて夜の参拝を楽しむ諏訪大社の「夏詣」に合わせて開催。歌謡舞踊の経験者や実行委メンバーを中心に、小学生や高校生を含む地元住民を巻き込んで輪をつくり、伝統文化を楽しんだ。
 実行委は2022年、下諏訪を盛り上げようと志すメンバーで発足。同年に諏訪大社下社の夏の遷座祭「お舟祭り」の宵祭りで民謡踊りが途絶えそうになったことや、かつて町内各地で踊りが盛んだった歴史を知ったことを機に、盆踊りを切っかけとした新たなにぎわい創出へ動き出した。
 歌謡舞踊の「市條流」の田中良子さん(81)=東弥生町=を顧問に置き、現在は約20人で活動。111日には、実行委員や呼びかけに応じた地元住民らを含めた約30人が、市條流メンバーの踊りを見ながら「下諏訪おどり」「浪漫(ろまん)街道しものすわ」などを繰り返し踊った。
 実行委は独自の曲や振付をつくり、かつて盆踊り会場の一つだったという山王台で祭りを開くことを目指している。事務局の長圭祐さんは「踊りや音楽は年齢が関係なく、体を動かすことで記憶に残りやすい。盆踊り文化の継承で、下諏訪に人が集まる機会をつくりたい」と話し、田中さんは「再興しようとしてくれることがありがたい。若い人たちに引き継がれ、少しずつでも復活することを楽しみにしている」と期待していた。
 夏詣は14日(水)までで、午後6時半から下社秋宮の境内ライトアップ。神楽殿前に設けられた舞台で日替わりイベントを開き、午後9時まで授与所を開いて神札、お守り、御朱印などを授与している。(写真は、多世代が交わって盆踊りを楽しんだ=11日)