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水耕栽培で高麗人参 岡谷市湊の企業あすから一般販売
2024年8月11日
岡谷市で、漢方などとして知られる高麗人参(にんじん)の水耕栽培が行われている。新農法開発や薬草栽培、販売の「光変換光合成促進農法」が2月、湊の本社社屋に工場を建設して始め、これまでに3回収穫。取り組みを知ってもらおうと、12日(月=振替休日)〜14日(水)に初めて、一般向けに販売する。
同社は2011年、企業と契約して高麗人参の委託栽培を始めた。水耕栽培の実用化に向けて工場を造り、長さ16メートル、幅90センチ、深さ45センチの栽培槽を二つ設置。土壌で育てた3年物の苗4500本を移植し、4月に初めて収穫したという。
栽培には、同社の前身企業の「マテリアルサイエンス・ナガノ」と、諏訪東京理科大学(茅野市)が共同開発した光合成促進機能を持つ素材を活用。光を光合成に適した波長に変える特性があるというピンク色のシートを、工場内のLED照明に張った。
同社によると、1カ月ほどで長さ平均50センチ、重さ30グラムに育つ。これまでは、食用として飲食店などに卸してきた。一般的に利用される根よりも、葉や茎に機能成分が多く含まれるといい、食べ方として天ぷらや漬物などを挙げている。
同社代表取締役の中澤富夫さん(89)は「新しい農業の一つとして、こういうものが地元にあると知ってもらいたい」と話す。
販売は各日午前9時〜午後4時、同社近くの正木屋で。生の高麗人参は1本600円、乾燥させた3年物の根は1本300円。いずれも税込み。問い合わせは同社(電0266・23・8299)へ。(写真は工場内で水耕栽培した高麗人参を手にする中澤さん)