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辰野町内初のワイナリー誕生 今秋から醸造へ
2024年8月10日
辰野町小野と塩尻市北小野の霧訪山麓で育てたブドウを使い、ワイン醸造を目指す「キリノカ」のワイナリーが完成した。今秋から醸造を開始し、9月28日(土)には、併設するショップもオープンする。沼田実社長(61)は「辰野や小野のプライドになるような高品質なワインを造りたい」としている。
ワイナリーは小野郵便局近くにあり、木造平屋建ての約230平方㍍。材質の異なる複数の醸造タンクやプレス機などの設備を備えたほか、熟成用のオークだるも用意した。地元の大芝山産の石灰を使ったコンクリート製タンクは、かつて盛んだった製糸業を意識し、繭形に。両小野で栽培する白ワイン品種「シャルドネ」の醸造をする予定で、沼田社長は「両小野の歴史と風土が詰まったワインになる」と語る。
醸造は来月下旬から買い付けの県産ブドウを皮切りに始め、町内産リンゴを使ったシードルなども造る。販売は来春から順次始め、来年9月ごろには全てのラインナップがそろう計画。今季の製造量は計8000本程度を見込む。
メインとなる赤ワイン用品種「ピノ・ノワール」は2020年から栽培しており、昨秋初めて収穫。委託醸造で造った味は「世界クラスのポテンシャル」といい、自社醸造によって「これまでの日本にはなかった味わいになると思う」と期待を込める。
ショップは都会的なデザインを取り入れながらも、カウンターに木の一枚板を使うなど、落ち着いた雰囲気。テーブルも16席備え、有料試飲をしたり、商品の説明を聞いたりする場に。手頃な品から高級酒までをそろえるといい「カジュアルなワインもあるので、地元の風味を楽しんでくれれば」と話す。
ショップは土日曜日と祝日の営業で、午前10時〜午後5時。当面は委託醸造のワインを中心に扱う。
(写真は、両小野産ブドウのワイン醸造に向け、完成したワイナリーと沼田社長)