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野鳥の魅力描く 八ケ岳美術館で片田好美さん水彩画展

2024年8月3日


 原村の八ケ岳美術館(原村歴史民俗資料館)で9月23日(月=振替休日)まで、茅野市蓼科在住の水彩画家・片田好美さんの展覧会「森と生きる」が開かれている。片田さんの画文集3部作の刊行を記念した企画で、蓼科にある自宅周辺や諏訪地域で出合った鳥と植物を描いた作品を中心に、73点を展示。片田さんは「地元の人たちに地域の素晴らしさを実感してもらえれば」と話す。
 東京都出身の片田さんは、1988年から木版画家として活動し、2度の英国滞在を経て97年から水彩画家として活動を始めた。2000年に蓼科へ移住すると間もなく諏訪地域の自然と野鳥に魅了され、その姿を描き始めた。描いてきた野鳥は100種類以上。鹿やキツネといった動物や、花などを合わせると400点以上になるという。
 会場には、画文集3部作に掲載されている作品から点を展示。メインは野鳥と植物で春の「アカゲラとミズナラ」、初夏の「ジュウイチとエゾノコリンゴ」、秋の「ツグミとキミズミ」など。各作品に添えてあるのは画文集に掲載している片田さんの随筆で、描いた鳥や植物にまつわる小話や思いを書いている。「日本野鳥の会」の会報誌の表紙を飾った作品も並ぶ。
 片田さんには「地味な子に市民権を」をモットーにしており、派手さはない野鳥の魅力を伝えたいとの思いがあるという。最も好きな野鳥は、人にあまり注目されず、雑食で、ひょうひょうと空を漂うトビといい、会場には「トビと桜」を描いた作品もある。
 片田さんはかつて、ストレスからくる体の不調に悩んだが、蓼科移住後の20年間ですっかり調子を取り戻した。「諏訪地域と鳥に救われた。作品を通じ、この地域の魅力を地元の人にも再認識してもらえればうれしい」と話す。
 会期中は無休。開館時間は午前9時〜午後5時(入館は4時半)。一般510円、小中学生250円(諏訪6市町村の小中学生は学生証や図書利用カード提示で無料)。問い合わせは同館(電0266・74・2701)へ。
(写真は、作品について解説する片田さん)