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伊能忠敬の弁当を再現 下諏訪宿本陣の「献立書」基に実践女子大

2024年7月25日


 江戸時代に下諏訪宿本陣・岩波家が伊能忠敬(1745〜1818年)に提供したとみられる弁当の再現に、東京都日野市にある実践女子大学食生活科学科の学生が取り組んでいる。全国を測量し、精密な地図を作った忠敬の測量隊は1809(文化6)年に本陣に宿泊したとされ、岩波家が保管している「献立書」を基に当時の食事を再現する取り組みの第2弾。岩波家では、食と歴史を通じた地域活性化や観光振興につなげる方法を模索している。
 献立書には9月24〜27日という日付と料理、食材などが記載されており、年号はなかったが、宿帳などと突き合わせると測量隊18人の宿泊記録と一致した。献立書の内容を忠敬に提供した食事と推測し、2月には町内飲食店の協力で夕食膳などを初めて再現。その際に同大の佐藤幸子教授が携わった縁で、4月からゼミ生が弁当の再現に取り組み始めた。
 献立書の弁当部分に書かれた長芋やシイタケ、ちくわなどの食材七つと江戸時代の料理書を手がかりに、学生たちは栗ご飯や鶏肉の幽庵焼きなど7品を考案。記載はないが、彩りを添えるため精進料理で多用されていたニンジンやシソを使った4品も加えた。調理法や調味料も再現性にこだわり、だしは昆布とカツオで関東風に仕上げた。
 24日、佐藤教授と学生9人が本陣に訪れ、28代目当主の岩波太佐衛門尚宏さんに再現したレシピや調理の工夫点などを報告。今後は学内のカフェで試食を提供するなどして、完成度を高める。
 開発の中心となった学生は「加工食品や家電に囲まれているからこそ、多くの気付きがあった」「調理工程は異なっても、食材は現代と通じていると感じた。研究を煮詰め、より良いものを作っていきたい」と話した。
 岩波さんは「観光にも生かせれば。次のシリーズとして、第3弾、第4弾も形にしていきたい」と期待していた。(写真は、献立書で食材が書かれている部分を示す学生)