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「荻原記念文庫」来月16日開館 世界文学特化の私設図書館

2024年7月24日


 箕輪町木下に8月16日(金)、私設図書館「荻原記念文庫」が開館する。作家・翻訳家の荻原梨絵さん(40)=木下=ら姉妹3人が、10年前まで父親が営んでいた税理士事務所の建物を改装し、膨大な本のコレクションを公開する。世界文学を中心に1000〜2000冊を置き、一部貸し出しも行う。
 本好きの家庭に育った3人が、実家にある読み切れないほどの蔵書を「興味のある人と共有できれば」と準備を進めている。父・長郎さんが他界し使われていなかった建物を、母の洋子さんとも相談して活用。長女の梨絵さんが館長、二女で会社員の詩帆さん(38)=東京都=と、三女で介護福祉士の紗希さん(33)=木下=が副館長をそれぞれ務める。
 世界文学特化型の図書館とし、日本、スペイン、ロシア、タイ、米国、英国、フランス、ドイツなど各国の小説や詩集を古典から現代まで所蔵。歴史資料や語学の入門書、音楽やカルチャー系の雑誌のほか、洋楽ロックのレコードも約100枚用意し、聴くこともできるようにする。午後1時から夕方まで、不定休でオープンする予定だ。
 文庫のサブネームは、アルゼンチン出身の作家ホルヘ・ルイス・ボルヘスの著作「バベルの図書館」から着想し、「バベルのマイクロライブラリー」の意味を持つ「ラ・ミクロビブリオテカ・デ・バベル」と命名。本を通じたコミュニティーづくりの場として全国に拡大している「まちライブラリー」にも登録した。
 梨絵さんらは「文学が好きな人を歓迎し、共に勉強していきたい。興味、研究の種をまいていけたら」と話している。
(写真は、開館準備を進める梨絵さん=左=と紗希さん)