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初の現代劇で笑い誘う 小井川区壮年会5年ぶり村芝居

2024年7月23日


 小井川区壮年会は21日午後、区民会館で開いた演芸祭で5年ぶりに村芝居を上演した。演目は、40年近い伝統がある中で初の現代劇という「犬屋敷家 親孝行が仇(あだ)となる」。200人近い来場者で満員状態になり、次々と繰り広げられる掛け合いや大げさなリアクションに絶えず笑いが起きた。
 区内に住む家族を描いた喜劇。高校時代に非行に走った息子と娘が6年後、両親を高級レストランに招待し、そこで父親が倒れ、その後に「オレオレ詐欺」の標的になる—という物語を面白おかしく届けた。裏方を含めて30人余りが出演し、つくり上げた。
 レストランで食事をする一幕では、両親がマナーや料理名を知らずに空回りする姿に大きな笑いが起きた。父親が椅子から転げ落ちたり、酒やスープをぶちまけられたりと派手なアクションも連発し、来場者は次のギャグはまだかと舞台にかぶり付いていた。
 村芝居は1988年に初上演され、一貫して時代劇を取り上げてきたという。コロナ禍で2019年に中断したが、伝統を守ろうと復活させた。脚本と監督を手がけた男性(66)は「笑いが絶えず、脚本を担当した二十数年間でこんなに受けたのは初めて。5年間のブランクを感じさせない反応だった」と話した。
 区民演芸祭は第37回で、太鼓や笠踊り、詩吟、大正琴などの区内団体が出演。壮年会の村芝居が最後を飾った。
 (写真は、随所に笑いをちりばめた村芝居)