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「伊那在来そば」復活へ 2年目の挑戦で増殖目指す

2024年7月19日


 伊那市西部地区で栽培されていたとされる在来品種「伊那在来そば」の復活を目指す市と信州大学農学部(南箕輪村)の共同プロジェクト(PJ)が、2年目を迎えた。本年度はそば本来の特徴や食味を調査するため、同品種の更なる増殖を目指すほか、農家での試験栽培も始める予定だ。18日は、同学部植物遺伝育種学研究室の学生ら10人が4500粒を同学部の畑にまいた。
 同品種は1980年代に栽培された記録が残るが、詳しい性質は分かっていない。復活PJは昨年スタートし、国の研究機関から提供を受けた種200粒を同学部の畑にまいて9000粒にまで増やした。一方で、試食できるほどの量は収穫できす、2年目に期待がかかる。
 学生らは約15メートルの畝を3列作り、種をまいた。付近には市東部地区で栽培されたとされる「入野谷在来」や県内で広く栽培される「信濃1号」も育て、生育状況を比較する。10月上旬に実700グラムほどの収穫を見込む。更に、同大学に保存する種千粒を同市西部の内の萱地区の農家1件に提供し、試験栽培する計画もある。
 同研究室の学生は「1年目は肥料を使い過ぎたせいか、背丈が高くなり過ぎたが、成育に大きな問題はなかった」と振り返り、「600〜700グラムが収穫できれば、まだ一度も食べたことのない伊那在来を試食することができる」と意気込んでいる。(写真は伊那在来そばの種を畑にまく学生)