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下諏訪でアートフェスを 本陣でプレイベント開催望む芸術家や識者集結
2024年7月17日
太古からの歴史や、諏訪大社下社がある下諏訪町の「場の力」に着目し、町内でアートフェスティバルの開催を目指す動きがある。13日夜には下諏訪宿本陣・岩波家でキックオフとなるイベントがあり、趣旨に賛同する約20人が現代アートと無意識の領域を重視する東洋哲学の共通性について学び、ライトアップされた幽玄な庭とろうそくの明かりの中、祈りのような舞踏を鑑賞した。
イベントは現代美術家の石川雷太さん(茨城県)、密教系芸術集団「混沌(こんとん)の首」を主宰する羅入(らじゅ)さん(松本市)の2人が代表を務める「アートコア」と岩波家が主催。JR下諏訪駅前通りでサロンしもすわを開く元町議の樽川通子さん(御田町)、日印文化交流ネットワーク事務局長で、筑波大学や明治大学などで仏教、東洋思想などの講義を開いてきた堀内伸二さん(高木)、それに石川さんを講師にアートと東洋思想に関する講演会を開いたほか、混沌の首がパフォーマンスを披露した。
堀内さんは講演の中で、哲学者・西田幾多郎の「東洋文化の根底には、形なきものの形を見、声なきものの声を聞くといったようなものが潜んでいる」との言葉を披露。「(現代人は)得ることばかりに関心があるが、自分がどうあるべきかを徹底的に掘り下げたのが東洋哲学。見えないものが見えなくなっているが、見えない世界が分かるだけの人間にならないといけない」と無意識の世界を開発する重要性を説き、アートがその切っかけになる可能性を示唆した。
混沌の首も共同主宰する石川さんは「見えないものを見えるようにするのがアート」とし、表現方法が多様化し解放されていった現代アートの主な流れを紹介しながら、自分の感性をバージョンアップするツール「窓」としてのアートの役割に言及。森羅万象は無意識の領域でつながっているとし、「空気に神仏が溶け込んでいる」とする下諏訪の「場の力」、アートの「作品の力」、鑑賞者の「感じる力」が共鳴し、「諏訪のポテンシャルを顕在化させる」(石川さん)ようなイベントを開きたいと話した。(写真は、庭をバックに本陣の座敷で披露されたパフォーマンス)