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武井武雄の偉業全国へ 生誕130年記念巡回展きょうから都内で

2024年7月6日


 岡谷市出身の童画家・武井武雄(1894〜1983年)の生誕130年を記念した全国巡回展「武井武雄展〜幻想の世界へようこそ〜」がきょう6日、東京都の目黒区美術館を皮切りに始まる。イルフ童画館の収蔵作品を中心に、武井の創作活動を網羅する約300点を展示。子どもの心に触れる作品を世に出し続けた市を代表する芸術家の業績を日本中に発信する。
 同展では童画のほか、さまざまな版材を用いた版画、装丁や函(はこ)、絵、文章で構成される「刊本作品」の三つを軸に、多岐にわたる仕事を紹介。詩人やデザイナーなど、武井が持つさまざまな側面にも焦点を当てる。刊本作品「ラムラム王」(1964年)など、市民になじみ深い作品も並ぶ。
 全国巡回展は、生誕120年を記念して行って以来。年内は3館で計画し、市や各館などが主催する。企画協力するイルフ童画館の山岸吉郎館長は「武井は童画家としての印象が強過ぎて、いろいろな素晴らしい仕事をしたことが伝わっていない」とし、「もっと有名になるいい機会。たくさんの人に見てほしい」と期待する。
 開幕前日の5日、目黒区美術館で内覧会があり、市からは早出一真市長や山岸館長らが出席。セレモニーで、早出市長は「武井は子どものみならず、多くの人々に夢や希望、感動を与える童画に情熱を注いだ。多くの人に知ってもらいたい」などとあいさつした。
 目黒区美術館では8月25日(日)まで。今後は9月7日(土)〜10月6日(日)に石川県立美術館、10月12日(土)〜11月24日(日)に一宮市三岸節子記念美術館(愛知県)を巡回する。(写真は一般公開に先立って開いた内覧会。早出市長ら市関係者も足を運んだ=5日、目黒区美術館で)