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下社山出し初日、まず3本が木落し
2016年4月9日 奥山の大木、里に下りて、神となる—。諏訪大社御柱祭下社山出しが8日から、下諏訪町大平の棚木場(たなこば)を起点に始まった。初日は春宮四(岡谷市湊)、春宮三(岡谷市川岸)、秋宮二(諏訪市上諏訪)の3本が、綱渡りの神事の後、前日からの雨に洗われた棚木場を曳き出され、山出し最大の見せ場・木落し坂を豪快に下り、無事に注連掛(しめかけ)まで曳き付けられた。
雨上がりのすがすがしい空気に包まれた棚木場に、夜明け前から初日の曳行を担当する3地区の役員、氏子衆が参集。先頭を行く春宮四の御柱祭は、神職による綱渡りの神事の後、予定より早く午前6時40分過ぎに曳行を開始した。
3本とも雨で滑りやすくなった林間の狭あいな道を「よいさぁ」「よいさぁ」と声を合わせて順調に曳行。普段は小鳥のさえずりだけが聞こえる山あいの道に、木やりの甲高い声や威勢のいいラッパの音色が何度も響き渡り、7年目ごとの大祭を待ちわびた氏子たちの笑顔があふれた。
木落し坂は大勢の見物客や氏子衆が取り囲み、3本の柱が雨で滑りやすくなった最大斜度35度、延長約100メートルの坂を豪快に駆け下る様子を固唾(かたず)をのんで見守った。先頭の春四は予定より早く午後1時前に木落しを終えたが、春三は約30分、秋二は1時間半ほど遅れて、夕闇が迫る午後5時半に坂を滑り落ち、無事坂下に到着すると、柱を取り囲んだ氏子から大きな歓声が上がった。
(写真は、下社山出しのトップを切って木落し坂に挑む春宮四の御柱)