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伊那市と信大共同開発のヤマブドウでワイン 「山紫」ことしも完成

2024年6月28日


 伊那市と信州大学農学部(南箕輪村)が連携して開発したヤマブドウの品種「信大W—3」を原料に使ったワイン「山紫」が、ことしも完成した。商品化から11年目の今回は、720ミリリットル入りを過去最多の1400本用意。きょう28日から上伊那地域を中心に小売店などで取り扱う。
 市などによると、信大W—3は、生活習慣病予防や抗酸化作用があるとされるポリフェノールの含有量がほかの品種と比べて多い。深い香りと野性味のある味わいの調和を楽しめるという。生産者の城倉友幸さん(75)=伊那市=は「年々、木が熟成され良いブドウが採れるようになった。実の青臭さがなく、今までで一番良い出来」と評価する。
 市内農家8軒、計1.7ヘクタールの畑で2023年に収穫した約2200キロを、伊那ワイン工房(同市)に持ち込み醸造した。収穫量は08年の初醸造以来、過去最高という。同工房の村田純社長は「砂糖を加えず、ブドウ本来の糖分を11度を超えるアルコールにした。独特の酸味、鋭さのある味を楽しんでほしい」とアピールする。
 値段は、720ミリリットル入りが2500円、375ミリリットル入りは1600円で、400本限定。いずれも税込み。問い合わせは市農政課農業経営係(電0265・78・4111)へ。(写真は完成した「山紫」を手にする城倉さん=左=と村田社長)