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発展願い「一同、礼」 岡谷・塩尻市「日本一短い」塩嶺御野立記念祭

2024年6月25日


 記念碑に向かい、一礼するだけの「日本一短い」とされる祭り「塩嶺御野立記念祭」が24日、岡谷、塩尻両市境の塩嶺御野立公園であった。「ここ10年で最も多い」(岡谷市商業観光課)という約150人が参列。明治天皇巡幸記念碑の前で20秒ほどこうべを垂れ、往時に思いをはせつつ両市の発展を願った。
 明治天皇が1880(明治13)年6月24日に同所へ立ち寄ったのを後世に伝えようと、当時の平野村と長地村(現岡谷市)、塩尻村と筑摩地村(現塩尻市)の有志が1915(大正4)年に石碑を建立し、翌年に記念祭を始めた。昭和天皇が 47(昭和22)年に巡幸して以降は秋の例祭も加え、春は岡谷市、秋は塩尻市の当番で続ける。
 梅雨らしい本降りとなった前日とは打って変わり、遠方に富士山を望む好天の中、早出一真岡谷市長と百瀬敬塩尻市長をはじめ、両市の経済や観光、行政関係者ら幅広い人が一堂に。参列者は記念碑の前に並ぶと、慣例により「一同、礼」の発声とともに記念碑に向かって、じっと頭を下げた。
 初当選以降、春の例祭には初めての参列となった早出市長は「素晴らしい富士山の姿も見え、明治天皇が巡幸された当時に思いをはせた。両市の友好関係をしっかり築いていきたい」と話し、百瀬市長も「人口減など共通の課題も抱えており、絆を深めて両市の発展につながるようにしていく」などと語った。
 その後は、今井区公会所に移動して懇親会。テーブルにはウナギのかば焼きや、馬肉の肉じゃがなど岡谷らしいメニューが並び、出席者は和やかに杯を傾けていた。
(写真は、記念碑に向かって一礼する参列者)