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辰野町宮木地区で砂防えん堤完成
2024年6月18日
県伊那建設事務所(伊那市)が、辰野町宮木地区に建設していた砂防えん堤が完成した。土砂災害警戒区域に指定される楡沢の下流域の民家236戸を守る。16日、完成報告会が現地で開かれ、県や町関係者や地域住民など約40人が現場を見学した。
楡沢上流域は不安定な土砂や立木が確認されている。下流の民家や国道153号、学校、公民館など公共施設への土石流による被害が心配されており、えん堤建設は住民の強い要望があった。
事業は国の防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のための予算を活用。えん堤(高さ9メートル、幅38メートル)は2019年9月に着工し、21年3月に完成した。その後、164メートルの渓流保全工の整備をことし3月に終えた。総事業費は約6億円。同事務所によると、完成していたえん堤は21年8月の豪雨で発生した4000立法メートルの土砂を捕捉し、既にその効果を発揮したという。
完成報告会で同事務所の川上学所長は「今後も地域の協力を得ながら激甚化、頻発化する災害に備え、国土強靱化に努めていく」とあいさつ。現場を見学した地元宮木区の宮原正尚区長は「要望していたえん堤が完成し、住民は大変喜んでいる。安心して暮らせる」と話した。(写真は整備が完了した楡沢の砂防えん堤)