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メルヘン街道が開通 1市2町 観光シーズンのにぎわい願う

2024年4月19日


 昨年11月から冬季通行止めとなっていた茅野市と小海町、佐久穂町を結ぶ国道299号(メルヘン街道)の茅野市千駄刈から小海町千代里までの約13.8キロ区間が18日、開通した。同日、茅野市と佐久穂町境の麦草峠(標高2127メートル)の麦草ヒュッテ前で開通式が開かれ、関係者らは観光シーズンの到来を喜びながら1市2町の活性化やにぎわい創出を願った。
 茅野市の「ちの観光まちづくり推進機構」と小海町観光協会、佐久穂町観光協会でつくる「メルヘン街道協議会」の主催。交通安全と地域活性化を期待し、各市町の連携を深めようと開き37回目。3市町の首長や道路を管理する県の諏訪、佐久両建設事務所、観光商工に関わる関係者約70人と保育園児約75人が参列した。
 式典で主催者を代表し、小海町観光協会の鷹野圭太会長はあいさつで「メルヘン街道は佐久と諏訪地域を結ぶ重要な動脈であり、自然との共生を体現できる、まだまだ魅力を秘めた貴重なルート。両地域の結び付きを強め、県全体の発展に寄与できるように、国内外から多くの観光客を呼べるよう大きく育てていきたい」と述べた。佐久穂町の佐々木勝町長も祝辞を寄せた。
 各首長や県議会議員、道路を管理する佐久と諏訪建設事務所関係者と共に、3市町の保育園児はカウントダウンでテープカットし、開通を喜び合った。
 式典後には、恒例の開通走行が行われ、園児を乗せたバス3台と全国から集まった欧州車愛好者グループ「アルファロメオオーナーズクラブ」会員23人が乗る19台が、手を振る関係者に見送られ、佐久穂町へ向かった。同クラブを主宰する大島光輝さん(52)=長野市=は「この街道から見る周りの景色が最高。メルヘン街道やビーナスラインを中心に蓼科周辺を走ったり、おいしいものを食べたりして楽しみたい」と笑顔を見せた。
 式典後の取材にちの観光まちづくり推進機構の山本活夫理事長(79)は「ようやく広域の観光を結ぶ街道がつながり、うれしい限り。インバウンド(訪日客)が増え、更なる各地域の振興につながれば」と期待した。(写真は麦草峠で行われた開通式。テープカットに3市町保育園児も参加した)