NEWS

宮澤健太郎さんHC就任 11年ぶりENEOS野球部復帰

2024年3月31日


 岡谷市川岸東出身で社会人野球の元選手、宮澤健太郎さん(43)=岡谷南高、明治大出=が2013年以来、11年ぶりに社会人野球の舞台に戻ってきた。今季、現役時代にも所属したENEOS野球部のヘッドコーチに就任。かつて7シーズンにわたり主将を務め、この間に2度、都市対抗を制するなど黄金時代を知るだけに、宮澤さんは「選手には勝負強さを身に付け、経験した人にしか分からない勝つ喜びを味わってほしい」と話す。
 03年、当時の新日本石油に入社し、左打ちの三塁手として活躍。現監督でもある大久保秀昭さんの就任に合わせ、06年に主将になると12年まで務めた。この間、2度にわたって都市対抗の優勝旗「黒獅子旗」を手にした。
 まだ33歳で大きなけがもなかったが、勧告を受けて13年に引退。同年から社業に就いて営業畑で過ごし、大きな大会に応援に駆け付けることはあったものの競技とは一線を引いていた。
 野球漬けだったため、仕事の面では同期入社から大きく遅れを取り、監督や上司からは「10年は頑張れ」と激励された。仕事も覚えて軌道に乗り、ちょうど10年となったのが昨年。「もう一度、ユニホームを着たい」。そんな思いを抱えていた折、ヘッドコーチを打診され、「大久保監督と一緒にできる」とうれしさが込み上げた。
 1月4日からチームに帯同。2月には川崎市のホームグラウンドでキャンプに入り、まずは現役時代、共に戦った仲間は1人のみとなったチームの個々の実力、性格の把握へ積極的にコミュニケーションを取った。今月には初の公式戦を迎え、チームは敗退したものの、「久々で緊張した。選手の時とは試合の見方も違い、何とか勝たせてやりたい、活躍してほしいという思いが強かった」と言う。
 その後、神奈川県大会では勝利を収め、次は5月の東北大会に照準を合わせる。宮澤さんは「社業を経験し、野球部を応援してくれる人の多さにも気付けた」とし、「存在価値を示し、恩返しするには勝つこと。そんなところも選手には伝えたい」と力を込める。(写真は宮澤さん=ENEOS野球部提供)