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「ゴジラ−1.0」米アカデミーで「視覚効果賞」に ロケ地・岡谷も歓喜

2024年3月12日

 旧岡谷市庁舎が物語の重要なシーンに登場した映画「ゴジラ−1.0(マイナスワン)」(山崎貴監督)が、日本時間の11日午前に発表された米アカデミー賞で、日本映画として初めて視覚効果賞を受賞したニュースに、市内でも喜びの声が上がった。昨年11月3日の公開以降、さまざまなタイアップイベントを展開し、市を挙げて映画を盛り上げてきただけに、世界最高峰の映画賞での評価に関係者の喜びはひとしおだ。
 早出一真市長は、祝福のコメントを発表し、この中でタイアップイベントを通じて「多くの方に作品と共に当市を知り、訪れていただけたことで当市の歴史や文化に触れていただく機会にもなった」と感謝。「もし続編があるようでしたら、また岡谷市で撮影していただけるとうれしい」と期待を込めた。
 諏訪圏フィルムコミッション(FC)の宮坂洋介さんは「アカデミー賞は遠くの出来事だと思っていたが、まさかこんな賞をもらえるとは。地域の方が旧市役所庁舎を大事にしてきたからこそ、賞につながったと思う。地元の古い建物を大切にすることにつながれば」と語った。
 タイアップイベントの一つとして、ゴジラの足元に旧庁舎が堂々と立つデザインのポスターを作った中央印刷(川岸上)。同社の技術を駆使して、銀色のアルミ箔の上からカラー印刷することで、文字や背景を銀色や金色に光り輝くように仕上げたポスターには、たとえゴジラに襲われても旧庁舎を守り、残していこうという思いが込められた。受賞に佐伯克己常務(63)は、「心からおめでとうと言いたい。市民が大切にしてきた旧庁舎をロケ地に選んでいただいたことを改めてうれしく思う」と話した。
 布造形作家、髙倉美保さん(50)=山手町=は映画公開前の昨年10月、JR岡谷駅前の飲食店にゴジラの窓絵を描き、立ち寄った山崎監督から「すごいですね」と声をかけてもらったといい、「誰にでも優しい人柄にも触れたから、余計にうれしい。私自身も作品を見て日本のすごさを感じたけれど、これを全世界の人が見ていると思うと興奮しますね」と喜んだ。