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諏訪湖の冊子2種完成 市民団体が図解で分かりやすく
2024年2月8日
諏訪湖の環境問題などに取り組む市民団体「諏訪湖クラブ」は、諏訪湖の水生植物の生態と釜口水門(岡谷市)の歴史をまとめた小中学生向けの冊子2種類を作った。図解やカラー写真を多用し、専門的な内容も易しくまとめるなど、分かりやすさに留意。信州大学名誉教授で、同クラブの沖野外輝夫会長(87)=諏訪市城南=は「冊子を通して諏訪湖にまつわる物事を学び、それぞれの興味を広げる切っかけになれば」と思いを込める。
同クラブは2007年発足し、現在は約80人が所属する。「諏訪湖創生ビジョン」の活動に関わる傍ら、「諏訪地域の子どもに身近な諏訪湖を広い視野で見つめてもらい、理解を深めてほしい」との思いから湖にまつわる冊子作りを続ける。
2種類ともA4判、フルカラー。「諏訪湖の水生植物(変遷の軌跡)」は沖野会長、「諏訪湖の治水に繋(つな)がる釜口水門」は元県諏訪建設事務所長で、同会理事の八幡義雄さん(74)が執筆。資料やそれぞれの知識を基に、2年をかけて完成させた。
沖野会長は生態、水陸学の研究者として幅広い知見を生かし、諏訪湖の水生植物の変遷、植物の見分け方、将来にかけての課題、水質変動などを6章36ページに。八幡さんは湖にまつわる歴史に触れながら湖周で栄えた蚕糸、製糸などの産業、災害や治水、釜口水門が建設されるまでの変遷など8章32ページで、岡谷市小尾口区の元区長、牛山素吉さんの協力を得てまとめた。
県の「地域発元気づくり支援金」を活用し、制作費66万7000円で6000部を発行。諏訪地域の図書館や小中学校などに順次配布するという。これまでに「散歩しながら諏訪湖に学ぶ」、1998年から19年間にわたり飛来したオオワシ「グル」についてまとめた「諏訪湖を愛したオオワシ『グル』の記録」と創作紙芝居「オオワシと鳥きち爺(じい)さん」を発行している。(写真は完成した冊子を手に持つ沖野会長=右=と八幡さん)