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育てた巣 重さ競う—伊那市地蜂愛好会 伝統継承へ催し—
2023年11月7日
地蜂(クロスズメバチ)の巣の重さを競うコンテストが5日、伊那市西箕輪の農業公園みはらしファームであった。伊那谷の伝統文化「蜂追い」を後世に伝える市地蜂愛好会が開き、26回目。上伊那地域の会員27人が、夏から秋にかけて自宅や近くの山で育てた39個を出品し、会場には何層にもなった巣がずらりと並んだ。
埋橋章さん(74)=同市御園=が4.73㌔の巣を持ち込み、第20回以来2度目の優勝。標高千㍍ほどの市内の山で飼育用の木箱に地中から掘り出した巣を入れて育てた。「50年くらい続けているが、かつてない出来」と話した。
大きく育てることができた要因の一つが、餌になる昆虫が豊富だったこと。更に巣の近くに鶏肉も置き、餌不足にならないようにした。「最初は直径10㌢だった。勝つために一生懸命だったので、優勝できてうれしい」と喜んだ。
地蜂は暑さに弱く、夏場の猛暑で巣が思うように大きくならず苦戦する会員もいたという。山口政幸会長(74)は「ことしは大小両極端だった。新しい会員を増やしながら、地域の食文化の継承を目指して取り組んでいく」とした。
同会には市内を中心に県内外の45人が所属する。会員の高齢化が進んでおり、新規の加入促進も狙いに蜂追いを体験する大会を毎年開く。ことしは7月に市内のますみケ丘平地林であり、約50人が参加。巣2個を見つけた。
(写真は、出品された巣を眺める会員ら)