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諏訪市で上野大根の乾燥始まる
2023年11月7日
信州の伝統野菜、上野大根「諏訪湖姫」の漬け込みに備えた乾燥作業が6日、諏訪市豊田上野で始まった。特設の干し場には、井桁状に組まれた真っ白い大根の列が連なり、秋色に染まった風景の中にひときわ輝く。1週間ほど天日と風にさらして水分を抜き、来週中に漬ける。
上野大根は、江戸時代には高島藩へ献上された300年近い歴史を持つ特産品。長年の栽培で他の大根との交雑が進み、本来のずんどうの形状や大きさにばらつきが出たことから、1995年に一代交配種育成法を全面的に導入、「諏訪湖姫」(2000年品種登録)として、本来の姿を守り続ける。
漬物づくりを担うのは、上野大根加工組合(笠原正夫組合長)の9軒11人。8月下旬に種をまいたが、小雨で発芽が遅れるなどで生育が心配されたが、10月下旬から続く温かい陽気で一気に太さが増したという。「漬物にはちょうどいいサイズの大根がそろった。割れも少ない」と笠原組合長(72)。
午前中には、約1万1000本が加工所前に持ち込まれ、更新した洗浄機を使って男性たちが大根の泥をきれいに落したり、傷がついたものなどを除いたりした。午後は女性たちが中心になって、長さ約33メートルのハウス3棟の干し場に大根をつるしていった。
(写真は、井桁状に大根を組み上げる女性たち)