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躍動的な筆遣いが魅力 長谷川義史さん個展
2023年10月18日
イルフ童画館で、絵本作家長谷川義史さんの個展「とびだせ!長谷川義史展」が開かれている。躍動的で力強い筆遣いや個性的なキャラクターが特徴の絵本原画を中心に、約130点を展示。ユーモアあふれる絵本から、戦争や震災を取り上げた平和を願う作品まで、幅広い創作の軌跡とその魅力に迫る。
昨年6月から来年5月までの3年間、全国5会場で開催する巡回展。長谷川さんは1961年に大阪府藤井寺市で生まれ、グラフィックデザイナーを経て「おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん」(2000年)で絵本作家デビュー。これまで150冊以上を発刊し、テレビ出演や全国各地での絵本ライブなど精力的に活動する。
展示は「絵本作家へ」「家族」「絵本作家のよこがお」「未来の子どもたちへ」「幸せのあいことば」「絵本の描き方」の6章で構成。作家デビューに至るまでの創作過程、章テーマに沿った絵本原画、大阪市にある自宅兼アトリエの写真やアイデア帳など創作の根源を紹介する。
「家族」では、小学1年生で亡くした父親への思い、その後家族を支える母親との明るい日常など、身近な人との実体験をほほ笑ましく描いた。「未来の子どもたちへ」では東日本大震災や戦争を題材にした「ぼくがラーメン食べてるとき」「ほうれんそうはないてます」の原画を並べ、平和への思いを表現。人気シリーズの「いいからいいから」、長野での初展示に合わせて描き下ろした諏訪大社の絵なども飾る。
同館学芸員は「ダイナミックで印象的な筆遣い、ぱっと見て引かれる個性的なキャラクター。大人も子どもも、絵本とは違った、原画ならではの魅力を知ってもらいたい」と話す。
会期中は来館イベントとして、長谷川さんが絵本の読み聞かせやライブペインティングをする「絵本ライブ」とサイン会を2日間予定する。サイン会は同館ミュージアムショップで長谷川さんの書籍を購入した人を対象に、当日午前9時から整理券を配布する。21日(土)が午前10時半から絵本ライブ、午後2時からサイン会、11月3日(金=祝日)が午後1時から絵本ライブ、2時40分ころからサイン会。絵本ライブは定員に達したため募集を締め切った。
問い合わせ、申し込みは同館(電0266・24・3319)へ。(写真は、絵本原画を中心に長谷川義史さんの創作を紹介する個展)