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初期中山道に思いはせるー初のウオーキング・サイクリングー

2023年10月2日


 江戸幕府が定めた「五街道」の一つ、中山道のうち、十数年で廃止となった区間をたどるウオーキングとサイクリングイベントが1日、JR岡谷駅を出発地点に行われた。地元をはじめ県内、遠くは関東や関西圏などから約60人が参加。ガイドの説明を聞きながら進み、往時の歴史に思いをはせた。
 廃止区間は「初期中山道」と呼ばれ、岡谷市東堀から小野峠・三沢峠を越えて辰野町小野、更に塩尻市桜沢に通じる全長約26㌔。江戸のまちづくりに多くの用材が必要となり、木曽の森林資源に着目した勘定奉行・大久保長安が運搬道路として開発したとされる。
 岡谷、辰野、塩尻の2市1町でつくる塩嶺王城観光開発協議会は昨年度まで実施した「塩嶺王城パークラインマラソン」の代替で、本年度は初めて「初期中山道ウオーキング・サイクリング」を計画。募集開始から、わずか3週間弱で定員が埋まったという。
 一行は岡谷駅をスタートし、ウオーキングは小野峠・三沢峠を越え、辰野町小野シダレグリ自生地を経てJR小野駅を目指した。サイクリングは同駅からパークライン、小野峠、牛首峠を経由してJR日出塩駅へ向かった。道中では3市町の名物を乗せた丼を昼食にして、魅力も味わった。
 佐藤裕美子さん(59)=埼玉県=と、美奈実さん(25)=飯田市=親子はSNS(交流サイト)でイベントを知り、参加。かつて5年ほど諏訪に住んでいたことがあるといい、2人は「やはりサイクリングは坂道が楽しい。諏訪湖の周りではサイクリングロードの整備も進んでいるので、完成したらまた来たい」と笑顔だった。
(写真は、手を振りながら笑顔で岡谷駅をスタートするサイクリング参加者)