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幅広い患者に対応〜伊那市モバイルクリニックへ新機器導入〜

2023年7月27日

230726モバイルクリニック機能強化1
 伊那市は、医療機器を備えた専用車両で遠隔診察をする「モバイルクリニック事業」で、新たに三つの機器を導入した。妊娠後期の健診と、専門ではないかかりつけ医が眼科受診を勧めるためのデータ取得が可能になったほか、心電図の測定機器をデータのリアルタイム伝送ができる高性能なものに更新。既に運用を始めている。
 妊婦健診では、新たに「モバイル分娩(ぶんべん)監視装置」を導入。妊娠後期(36週以降)の胎児心拍、陣痛の測定ができるようにし、定期通院が難しい妊婦に対応する。これまでは、妊娠中期(22〜33週)が対象のモバイル超音波測定器を用いた胎児のエコー画像検査のみだったという。
 スマートフォンに装着して患者の目を撮影する「モバイル眼科検診装置」では、撮影画像を検診システムに送付。かかりつけ医が後日、結果を受け取って内容によって眼科受診を勧める。更新した「モバイル12誘導心電図」では血圧、血中酸素濃度なども同時に測定し、メールやクラウドサービスで医療機関に送信できる。
 26日には市役所で導入機器が公開され、市や事業関係者が機能などを説明。白鳥孝市長は「車載医療機器の高度化で、より幅広い患者に対応できるようになった。今後も必要に応じて機器の更なる高度化を考えていきたい」と話した。
 看護師を乗せた専用車両が患者宅に出向き、病院や診療所の医師がビデオ通話で診察する仕組み。事業は通院困難な高齢者らの支援や医師の負担軽減へ、トヨタ自動車とソフトバンクが共同出資する「モネ・テクノロジーズ」などと連携して実証実験を進め、2021年度に本格運用を始めた。現在は1台を運用し、市内10医療機関が参画している。
(写真は、新たに導入した機器を確かめる白鳥市長(左から3人目))