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箕輪町ゼロカーボン宣言1周年 森永卓郎さんが環境問題語る

2023年7月4日

ゼロカーボン講演会
 箕輪町は2日、「ゼロカーボンみのわ推進講演会2023」を町文化センターで開いた。経済アナリストで獨協大学教授の森永卓郎さんが「人と地球を守る経済と社会の仕組みとは」と題して話し、約350人が耳を傾けた。
 森永さんは、資本主義がもたらす問題として、所得格差の拡大、仕事の楽しさの消失、地球環境破壊—の3点を列挙。効率や生産性を求めることで単純労働が増え、「富裕層だけが楽しい仕事をしている社会になる」と指摘した。
 また、富裕層が生活や移動で消費するエネルギー量は膨大だとし、「資本主義で格差が拡大すればするほど温室効果ガスの排出が増える」と持論を展開した。
 農業者でもある自身の経験から、自分が食べる野菜を自分で作ることは「環境にも優しいし、仕事そのものが自由で楽しい」と語り、地球規模で競争を展開する「グローバル資本主義」からの脱却を訴え。「これからの社会では人工知能やロボットが人の仕事を奪っていく」とし、人にしかできない「創造」をすることが重要だとも述べた。
 講演会は、町の「ゼロカーボンシティ宣言」1周年を記念し、町民の地球温暖化問題や脱炭素推進に対する意識の高揚、補助金を活用した太陽光発電設備などの普及拡大を図る目的で企画。電気自動車などの展示も行われた。
(写真は、経済と地球温暖化の関係について話す森永さん)