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エースドッジ県協会解散へ 30年余の歴史に幕

2023年5月23日

ネット用県エースドッジ協解散
 岡谷市発祥のスポーツ「エースドッジボール」の大会や講習会開催など、普及活動に取り組んできた県協会は22日に市内で開いた総会で、今月末での解散を決めた。市制施行50周年を記念して競技が誕生し、初回大会の成功を受けて設立を望む声が高まり、1988年の市協会に続いて91年に誕生。一方、近年はスポーツの多様化、社会情勢の変化などに伴う競技人口の減少に直面し、加えて創設から30年以上が経過する中で「一定の目的は達成できた」として幕を閉じることにした。市協会は、活動を継続していく。
 86年の市制施行50周年記念事業の一環で、NHKの公開番組「ふるさと文化祭」の放映が決まり、イベントが計画された。その柱として全市民が参加でき、将来は世界へ結び付く「ニュースポーツをつくろう」と市体育協会と市レクリエーション協会、市体育指導委員会が中心となり、協議を始めた。
 既存のドッジボールに「エースマン」を置くアイデアを取り入れ、普及しているスポーツの中では「最多人数の競技」が誕生。同年10月、やまびこ公園で開かれたイベントで各区対抗の大会が開催され、産声を上げた。その後、イベントの様子がメディアで紹介されると次第に競技熱は県内、全国へと波及していった。
 総会には理事、役員ら約20人が出席。昨年度の事業、決算、監査報告に続き、協会の解散と財産処分について審議し、承認された。32年に及ぶ県協会は歩みを止めるが、市協会は先立って開いた総会で大会開催などを盛った事業計画、予算などを決め、引き続き活動を進めていく。
 県協会理事長で、市協会の宮下忠美会長(70)は「エースドッジボールがなくなるわけではない。今も競技を楽しむ児童や学校があり、富岡市との交流も続けていく。講習会を開いてほしいという要望もあり、どこでも市協会員を派遣しボールを持っていく。今後も継続して競技を残していきたい」と語った。
 県協会の林泰章会長(83)は取材に「昔も今も子どもを大切にする原点は一緒。今後も子どものためにできることをやっていきたい」と話していた。
 

 ▼エースドッジボール ドッジボールのルールを基本に各チーム「エースマン」を1人置く。内野はエースマンを含め10人、外野は6人。相手よりも多く内野が残っていたとしても、エースマンが2回当たったり、当たった回数が多い場合は負けとなる。エースマンを守るのか、狙って一発逆転を狙うのかなど作戦やチームワークが勝利の鍵になる。
(写真は、県協会の解散を決めた総会)