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諏訪湖の水質改善 指標全4項目で昨年比
2023年5月21日
県諏訪地域振興局は19日、2022年度の諏訪湖の水質(速報値)を発表した。昨年度と比較して、水の汚れを示す代表的指標の化学的酸素要求量(COD)75%値、全窒素、全りん、透明度の年平均値の全4項目で、いずれも改善した。全窒素と全りんは諏訪湖のあるべき姿を達成するための指針「諏訪湖創生ビジョン」に掲げる目標値と環境基準も達成した。
調査は昨年4月からことし3月まで毎月1回、湖心、初島西、塚間川沖200メートルの3地点で実施。湖水1リットル当たりの数値を調べ、3カ所のうち、最も悪い地点の数値を公表した。
CODは環境基準の適否を判定する際に用いられる75%値で、湖水1リットル当たり4.9ミリグラムと、前年度と比べて0.6ミリグラム良化。全窒素は0.05ミリグラム改善の0.57ミリグラム、全りんは0.003ミリグラム改善の0.038ミリグラムで共に環境基準も達成した。透明度は0.1メートル改善の1.3メートルだった。
4項目でいずれも改善するのは19年度以来。同振興局環境課は「測定のタイミングや日当たりなど気象条件で変動するので一概には言えないが、ヒシ刈りや下水道普及などビジョンの取り組みが、中長期的な改善傾向につながっている」とした。
諏訪湖創生ビジョンは、本年度から改定版の運用が始まっている。COD75%値は策定当初より厳しく1リットル当たり4.7ミリグラムに定め、ヒシ刈りの倍増や、浚渫(しゅんせつ)に関する調査なども新たに盛り込まれた。同課は「引き続きビジョンに定めた取り組みを進めていきたい」と話した。