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諏訪湖博物館で信玄ゆかりの「諏訪法性兜」実物公開
2023年5月2日
下諏訪町諏訪湖博物館・赤彦記念館で7日(日)まで、戦国武将・武田信玄ゆかりの「諏訪法性兜(すわほっしょうのかぶと)」の実物が見られる。通常はレプリカが展示されているが、来館者の「本物が見たい」という声を受け、「こどもの日」に合わせて公開することにした。同館によると、実物の展示がいつ以来なのか記録が残っていないため定かではないが、「少なくともここ20年間では初めて」としている。
信玄が実際に身に着けていたものかどうかは不明だが、同館によると江戸時代初期に集成された「甲陽軍艦」の中に同兜の記述が見られ、1766(明和3)年に人形浄瑠璃や歌舞伎の演目として作られた「本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)」では、武田勝頼を慕う上杉謙信の娘・八重垣姫が兜を手に、凍った諏訪湖を渡る場面が知られている。諏訪大社神職家を経て、町に保存されるようになったらしい。
幅、奥行きとも約40センチで、前方に付けられている木製の「前立て」には、赤鬼面が装飾されている。兜の後方に垂れ下がっている「白熊(はぐま)」はヤクの毛で、前立てから伸びる「鍬形(くわがた)」と呼ばれる木製の角の角度や、歴史を感じさせる深みのある色合いなどに、レプリカとの違いが見られる。
同館によると実物は通常、資料保存の観点から収蔵庫に保管されており、甲府市の信玄ミュージアムなど県外施設の企画展に貸し出すことはあっても、地元で公開されるのはまれ。「地元に残されている大切な資料として保管されてきたものなので、この機会に実物を見てもらい、レプリカとの対比も楽しんでほしい」と呼びかけている。
期間中無休。開館時間は午前9時から午後5時まで。入館料は大人350円、高校生以下無料。問い合わせは同館(電27・1627)へ。
(写真は、公開されている諏訪法性兜の実物)