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縄文の「お宝」紹介 大昔調査会がガイド発行

2023年3月30日

HP230306縄文ガイド冊子・共通面
 一般社団法人大昔調査会は、日本遺産「星降る中部高地の縄文世界」の構成文化財を中心に紹介するウオーキングガイド「あのスゴイお宝が出たのはココです」第3集を発行した。諏訪6市町村の土器や土偶を掲載し、発掘された遺跡周辺の散策を楽しめるガイドブックだ。
 2018年に認定された日本遺産「星降る中部高地の縄文世界」の活用を推進しようと、県「地域発元気づくり支援金」を受けて制作。岡谷市上向A遺跡の焼町土器、下諏訪町殿村遺跡の人体文付壺(じんたいもんづきつぼ)、諏訪市台御堂遺跡の板状土器など、特徴的な土器や土偶を掲載した。
 編集を担当した、雑誌「suwazine」編集者の坂間雄司さんは「諏訪地域は身近な所に遺跡がある。意外な場所から土器や土偶が出ていて、現地を歩いてみると気付かされることが多い」と話した。
 6市町村で発掘された土器や土偶の写真に解説を加え、手描きのイラストマップで散策のモデルコースを提示。同会副理事長で日本考古学協会会員の三上徹也さんの監修で見どころを紹介する。
 高見俊樹理事長は「より親しみやすく、楽しく歩けるように制作した。土器や土偶は資料を通じて接する人が多いと思うが、現場を歩くことで、縄文の暮らしや環境を感じてもらえるのでは」と活用を呼びかけた。
 ガイドブックの制作は本年度で一区切り。今後はウオーキングイベントなど次の展開を検討しているという。動画配信サイト「ユーチューブ」では、同会の「ココですガイド」スピンオフムービーを公開している。
 A5判、26ページ。8000部印刷し、6市町村の公立博物館など各施設に配布した。
(写真は、完成したガイドブックを披露する高見理事長と坂間さん)