NEWS

大芝高原アカマツ全伐採へ〜南箕輪村 松枯れ被害急拡大で〜

2023年1月19日

230118大芝高原アカマツ全伐へ

 南箕輪村は新年度から、松くい虫(マツノザイセンチュウ)による松枯れ被害が広がる同村の大芝高原の森林づくりを本格化させる。アカマツは将来的に全て切り、広葉樹を植えて樹種転換を図る。今後、具体的な進め方を「大芝高原森林づくり実施計画(仮称)」としてまとめ、取り組んでいく。
 大芝高原は約100㌶で、約1万3千本のアカマツが植わる。同村によると、被害木は2017年度に初めて見つかり、現在までに500本以上確認。当初は幹に穴を開けて薬剤を入れる予防策を講じたが、急拡大を受けて現在は被害エリアを中心に伐採している。
 21年度から10年間の整備方針をまとめた「大芝村有林整備基本計画」では、「今後10年間で壊滅的な状況になる可能性は否定できない」との見方を示す。計画では更に、樹種転換や伐採木の有効活用を目標にしている。新年度以降、保育園や学校などへ木材の活用を促し、植樹にも村民に携わってもらうという。
 伐採は既に18年度から毎年約1㌶ずつ進めているが、新年度は5〜6㌶と加速させる。18日には高原南部の「みんなの森」で斧(おの)入れ式を開いて樹齢約60年、高さ25㍍ほどのアカマツ1本を伐採し、今後の森林整備のスタートとした。
 村関係者のほか、間伐材を使った学習に取り組む南箕輪小学校4年1組の児童と、県伊那養護学校高等部の木工班の生徒ら約60人が出席し、斧を入れた。高校1年の高橋楓さん(16)=辰野町旭町=は「枯れてしまうのはショックだけど、これから植える木が高く伸びてほしい」と話した。
 藤城栄文村長はあいさつで「枯れさせるより、しっかり材として活用するという決断をした。また植えて、50年後に素晴らしい森をつくっていきたい」と話した。
(写真は、斧入れ式に参加した地元小学生=16日)