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写真家の辰野清さんが地元岡谷で初個展
2023年1月10日
岡谷市川岸西の風景写真家、辰野清さん(63)の特別企画展「余韻」が岡谷美術考古館で開かれている。全国的な写真展の開催や写真集の出版、フォトコンテスト審査員、写真教室講師など幅広く活躍する一方、地元岡谷では初の個展。完成された絶景ではない、身近な風景の美しさが見る人の感情を呼び起こす。3月5日(日)まで。
辰野さんは兄の影響で10歳代後半から撮影を始め、就職後も会社員の傍らアマチュア写真家として活動。43歳で事務所を立ち上げ、プロへ転向した。現在は日本写真協会員、日本風景写真協会指導会員のほか、県内や東京都、名古屋市で開講する「自然奏フォトグラファーズ」主宰として後進の育成にも取り組んでいる。
展示作品は2015〜18年に撮影した全国の四季折々を切り取った29点。サイズは最大横160センチ、縦130センチほど、最小横70センチ、縦50センチほど。桜やヒマワリ、冬の諏訪湖などを物語性に富んだ作風で表現し、豪雪地帯の福島県北塩原村で撮影した「余韻」は、太陽光を反射する雪解け水を主役に、芽吹き始めたミズバショウ、雪でつぶれつつも冬を耐え抜いたカヤが春を迎えた喜びを感じさせる。
辰野さんは「直接自然風景と対峙(たいじ)していると、危機感がストレートに伝わってくる。美しい自然を残したい、という美しい心を皆さんに持ってほしい」と願い、「地元でできて本当に良かった。呼んでもらってとても光栄。たくさんの人に見てもらい、その人なりに感動してもらえれば」と話している。
28日(土)午後1時半からは、辰野さんによる全作品の解説や心を動かす風景写真についてのトークイベント「余韻 心を動かす感情の操作」をイルフプラザカルチャーセンターで開く。参加無料(要事前申し込み)。写真集「余韻」(税込み2千円)も同館受付で販売している。
展示は午前10時〜午後6時、水曜と祝日の翌日は休館。トークイベントの参加申し込み、問い合わせは同館(電22・5854)へ。
(写真は開催中の企画展と辰野さん)