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諏訪信仰と神仏習合考察〜諏訪湖博物館で企画展〜

2022年10月7日

神仏習合企画展 博物館①
 下諏訪町諏訪湖博物館・赤彦記念館で、企画展「諏訪信仰と仏たち—知られざる下社神宮寺」が開かれている。明治時代の神仏分離まで諏訪大社に付属し、破却された神宮寺や寺院の仏像などを一挙公開する「諏訪神仏プロジェクト(PJ)」の一環。下社神宮寺住職の末裔(まつえい)、神山家(上久保)に伝わる仏像などを公開したほか、武家社会の中で成立した諏訪信仰と、神と仏とを一体のものとする「神仏習合」との関わりについて考察している。11月27日(日)まで。
 同館収蔵品や神山家から寄託された資料など約150点を展示。1645(正保2)年に下社神宮寺住職だった宥幸(ゆうこう)という人物が、高野山で修行を積んだことを認める文書の原本と写しを、信州大学図書館から借用して初公開。神山家の旧母屋床の間に保存されていた高25.2㌢、幅15.4㌢、奥行き8.8㌢の厨子(ずし)入り十一面観音立像と不動明王、毘沙門天の両脇侍立像も初めて披露され、照光寺(岡谷市本町)の秘仏「千手観世音菩薩像」(下社神宮寺旧蔵)との類似性が話題となっているだけに、来館者の注目を集めている。
 1987年と88年に発掘調査を行った、下社神宮寺の末寺「東照寺」(高木)跡から出土した石に経文が書かれた副葬品の「礫石経(れきせききょう)」や、神社との関係を示す中世の「かわらけ」(素焼きの土器)も展示。神仏習合時代の様子が分かる県宝「諏訪社遊楽図屏風(びょうぶ)」(諏訪市博物館蔵)のうち、下社部分を拡大複写して並べ、来館者に当時の姿を伝えている。
 入館料は大人350円、高校生以下無料。月曜日と祝日の翌日休館。時間は午前9時〜午後5時。9日(日)と11月20日(日)には、午前11時と午後2時から同館職員によるギャリートークがある。問い合わせは同館(電27・1627)へ。
(写真は、下社神宮寺などが描かれた諏訪社遊楽図屏風)