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諏訪大社御柱祭 8本の曳き建て終え下社里曳きも閉幕
2022年5月17日
諏訪大社御柱祭下社里曳きは最終日の16日、春宮と秋宮(共に下諏訪町)の5本で建御柱が行われ、前日の春宮3本を含めて8本全てが境内にそびえ立ち、フィナーレを迎えた。新型コロナウイルス感染症で曳行に制限が設けられたが、未曽有の苦難を乗り越えて人力での曳き建てを成し遂げ、上社山出しから始まった御柱祭は閉幕した。
建御柱は春宮三と、秋宮の4本で行われ、先端を三角すい状にする「冠落し」を行い、車地(かぐらさん)で御柱を支えるワイヤを巻き上げた。乗り手はおんべを手に「よいとーまーけ」と声をそろえ、角度が上がると柱にしがみつくように体勢を変えた。
秋宮二の建御柱で先頭の「とんぼ乗り」を務めた冨田満さん(46)=岡谷市川岸東=は「柱の上からの景色は最高だった」と振り返り、「山出しが人力曳行できなかったことで100%の力を出せなかった人もいると思う。今回はそういう人の分まで一緒に乗る気持ちで臨んだ」と話した。
秋宮四は下諏訪町全町が担当し、前日に曳きつけた魁塚から曳行を再開。3日間最後の曳行を楽しむように「よいさ、よいさ」。里曳き後半の難所、大社通りの上り坂に差しかかると小綱を握る力を強くした。大社通りの中腹から春宮三の建御柱を終えた同町第一、六、七、九区の氏子も加勢し、境内への曳き上げも気持ちを一つに乗り越えた。柱が直立すると、垂れ幕を掲げて締めくくった。
(写真はフィナーレを告げる秋宮四の建御柱。暗闇の中、天を指した)