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【日本電産サンキョー】名門スケート部廃部へ〜今月末で幕〜
2022年3月2日
下諏訪町広瀬町の日本電産サンキョーは1日、同社スケート部を31日(木)に廃部すると発表した。北京冬季五輪の女子団体追い抜きで銀メダルを獲得した高木菜那選手など五輪のメダリストを多く輩出してきた、スピードスケートの名門。「選手を目指す若者が減り、そのレベルも落ちてきたことから、当初の目的についての展望が持てないと判断した」としている。
スケート部は1957年に三協精機スケート部として創設。五輪では、メダリストを5人輩出し、長野の男子500㍍で清水宏保選手が金メダル、バンクーバーの同種目で長島圭一郎選手が銀メダル、加藤条治選手(いずれも当時)が銅メダルなど、計8個を獲得した。
高木選手は平昌で、団体追い抜きとマススタートで金メダルを獲得。マススタートは平昌で始まった種目だったため、初代女王として脚光を浴びた。大会後には町内の市街地で凱旋(がいせん)祝賀パレードが行われ、沿道を埋めた延べ1万6千人の歓声に応えた。
同社は「多くの選手を育成し、国民の皆さまにも夢と元気を与えてまいりました。皆さまからの長年の応援に深く感謝申し上げます」とコメントを出した。現在は選手8人、監督1人が所属しており、同社広報担当者は「移籍を含め今後、選手らと対話をし、誠心誠意対応していく」とした。
宮坂徹町長は「長い歴史に幕を閉じられることは残念で寂しい」と受け止め、「スケート発展に諏訪は大きく関わった。そこにスケート部を設け、引っ張ってきてくれたことに敬意と感謝を表するほかない。引き続きほかのところでスケートを続けられる選手がいるようであれば、どこで続けられても応援は続けたい」と話した。
(写真は、日本電産サンキョー本社ビル)